車が動いている間は飲み物を控えよう

 ある事業所の社員が、車を運転中にハンドル操作を誤り、歩道に乗り上げる事故を起こしました。帰社した社員が管理者に事故の詳細を報告をしています。

 

 

転者「すみません。ハンドル操作を誤って歩道に乗り上げてしまいました」

 

 

管理者「事故を起こした場所は、カーブ地点だったのか」

 

 

転者「いえ、どちらかと言えば直線に近い道路でした」

 

 管理者「直線道路だったら、ハンドル操作を誤ったというのも、何か変な感じがするな。他にハンドル操作を誤る原因があったのじゃないか」

 

 

転者「実は、ペットボトルのお茶を飲んでいました」

 

 

 

管理者「運転中にか?」

 

 

転者「そうです」

 

 

管理者「当社では、運転中に飲料を飲まないように指導しているだろう」

 

 

転者「すいません。喉が渇いていたものですから」

 

 

管理者「でも、お茶を飲んだくらいでは、ハンドル操作を誤ることはないと思うんだが」

 

 

転者「実は、お茶を飲んだときに呼吸気管に入ってしまい、むせてしまったんです」

 

 

管理者「むせた? それでハンドル操作を誤ったということか」

 

 転者「ええ、非常に激しく咳き込んでしまって、一瞬前が見えていない状態になりました」

 

 

管理者「それで、知らず知らずのうちにハンドルを左に切っていたということだな」

 

 

転者「そうなんです。気がついたら歩道に乗り上げていました」

 

 管理者「ところで、なぜ運転中に飲み物を飲まないように指導しているか、分かっているよな」

 

 

 

転者「私のように、むせたりして事故を起こすからですね」

 

 

管理者「もちろん、それもあるが、それだけじゃないよ」

 

 

 

転者「他にもあるんですか?」

 

 管理者「ペットボトルを取るときにわき見をしやすくなるし、蓋を開けるときにハンドル操作を誤ることもあるからだよ」

 

 

転者「そういうことですね」

 

 管理者「走行中に一瞬でも目を離したり、ハンドルから手を離したりすると、事故のリスクが高くなるからな」

 

 

転者「でも車に乗っているときに、喉が渇いたときにはどうすればいいですか?」

 

 

 管理者「それもいつも言っていることだが、信号待ちのときか、車を止めて飲むようにするということだ」

 

 

 

転者「そういえば、聞いたことがあるような気がします」

 

 

管理者「あまり真剣に聞いていなかったんだな」

 

 

 

転者「すいません」

 

 管理者「まあいいや、運転中に飲み物を飲むことを禁止しているのではなく、車が動いている間は飲まないようにしてくれと言ってだけなんだ」

 

 

 

転者「よく、わかりました」

 運転しながらお茶などを飲もうとすると、わき見をしたり、ハンドル操作を誤るなど事故のリスクが高くなります。信号待ちなど、車が動いていないときに飲むようにしてくださいね。

 

 

 

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