こんにちは、野村です。
前回に続いて「思い込み」についての話です。
弊社の事故再発防止研修では、受講された方に面談を実施します。
起こした事故の原因や問題点、対策を、共に探す作業を行なうのです。
普段の仕事や運転に対する取り組み、考え方などを伺いながら、少しずつ事故に近づいていきます。
でも、「どうしてそう思ったのですか?」「どうしてそうしたのでしょう?」と尋ねると、「いつもそうだったから」「前がそうだったから」と答える方がいます。
ウーン、困った。ここで終えると問題が見えてきません。
そんなとき、ワタシは「どうしてですか?」と理由の深掘りを試みます。でも「なんとなく・・・」と、答えにならない答えが。
そこで、できるだけ丁寧にもう一度質問をします。そのアプローチに対して「そうだから」なんて答えられるのです。ときには、ムッとしたり腹を立てそうになったりする方も。
そうなんです。考えるために発した質問を、自分が問い詰められていると勝手に思ってしまっているのです。自分という存在と事故という現象を切り離せないのです。
どうやら思い込みが強い方は、そんな現状認識に陥ってしまうようです。言い換えると「思い込み」は、人に冷静さを欠かせたり、感情的にさせたりする力を持つのだといえます
研修でこのような展開になった場合は、一旦、問いかけることをやめます。 (次回へ続きます。)
(野村幸一)