事前準備は、お忘れなく!

 こんにちは、平野です。

 

 最近は、弊社の事故再発防止研修をご利用頂く企業様が増えております。

 今回も、運転経験豊富な方の事故再発防止研修の担当でした。起こされた事故は、片側1車線の道路で、右折しようとして、道路中央寄りを走行して来た対向車のドアミラーに自車のドアミラー接触させたものです。

 

 事故の現場は、見通しの良い直線路。進路前方に注意を向けていれば、この事故は起こさずに済んだのですが、目的地を探しながら走行していたため、前方への注意が疎かとなり事故を起こしてしまいました。

 

 出発前は、以前に何回か訪問したことがあるので、目的地の場所を確実に把握しないで、出発したとのことです。しかし、事故発生の直前は、目的地を探しながら、走行することとなり、前方の状況が把握できなくなりました。

 

 この事故の教訓としては、以下の点が挙げられるのではないでしょうか?
・目的地を探すことと、進路前方の把握や危険が無いかを探すことを、同時に行うことは不可能
・一つの事に注意を向けると、それ以外のことは、把握できなくなってしまう
・必要な情報を、必要なときに収集しなければ、危険を見落としたり、発見が遅れ、事故となる可能性が高くなる
・人は、見るべきものを見ないで、自分が見たいものを、自分が見たいように見てしまう
・目を開けて、進路前方を見ていれば、危険を見落とす可能性は、低いという錯覚に陥ってしまう
・出発前の、経路の把握が不十分だと、危険を見落としや発見の遅れ等の認知ミスを犯しやすくなる

 

 事故を起こされた方は、今後は、しっかりと前方を見て走行すると言っておられました。そのためには、上記の点をしっかりと認識することが必要です。その中でも特に、必要な情報を必要なときに収集することを意識して頂くことが大切となります。

 

 弊社では、上記の課題を解決するため、SDコメンタリートレーニングというトレーニングメニューがあります。このトレーニングは、信号のある交差点や信号の無い交差点及び、道幅の狭い道路や駐車場等の事故が起きやすい場所や場合等に焦点をしぼり、適切な確認と判断を習得して頂くためのトレーニングです。

 

 今回の研修でも、SDコメンタリートレーニングを行い、確認能力や判断力について、不足していた点を自覚して頂きながら、改善と向上を図ることができました。どんなに運転経験が豊富な方でも、必要な時に、必要な情報を収集しなければ、事故となります。これは、運転以外の日常の仕事においても同じではないでしょうか?


  目的地を探しながらの運転は、危険を見落とす可能性が高い危険な運転です。知らない場所へ向かう時や経路や目的地を確実に把握しないままの出発は、事故のリスク抱えての出発となります。この点を意識し、出発前の経路の把握を確実に行いましょう。

(平野 勝寛)

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