こんにちは、野村です。 前回の続きです。
以前ある輸入車の試乗に行ったときのことです。丁寧な営業マンにあたり、ワタシは気分よくハンドルを握っていました。
楽しく運転しながら営業マンに尋ねました。「このクルマ、故障したり壊れたりすることはありませんか?」
すると営業マンの態度が急に変わり、「この会社に勤めて10年以上になりますが大きな故障は一度もありません。」と言いました。
「何かで聞いたり読んだりした少しの例でそういったことを言う人がときどきいます。」と強い口調になり、「壊れるとの先入観でそれにあう例を探して決めつけるんです!」と営業マンは続けました。
これってワクチンの例に似ていますよね。
先入観や偏見でイメージを固め、その影響で情報が正しく見えない、自分の都合のよい情報のみを集めるなどです。確証バイアスをかけて事象をみるのは危険です、判断を誤ります。
ただ面白いのは、ワタシは単純に事実を聞こうとしただけです。壊れる確率が高いとも思っていません。しかし営業マンはワタシが、「どうせよく壊れるんだろう」との意見を持って質問したと思ったようです。
ワタシのことを確証バイアスにかかり、”壊れると誤った意見を持っている”と”決めつけています”。言い換えると、”決めつけていない”人のことを”決めつけている”と”決めつけています”。(グルグル回りでしょ。)
こんな風に確証バイアスは誰でもかけやすいものです。またかけているとの自覚を持ちにくいことがその危険性です。まるでそれはコロナに感染しているのに症状がないのと同じです。
日常生活でも運転でも、自分の認識に先入観や偏りがないかをチェックすることが大切ですね。
(野村幸一)