「だろう」運転と「かもしれない」運転―3

 野村です。

「だろう運転-2」の続きです。

 実際の運転では、運転経験が少ない(ほとんど無い)場合、飛び出しの可能性があると考えることは難しいものです。

 

 そのため、見通しの悪い場所を、すいすいと走行してしまいます(逆に「出て来るだろう」と、すべての交差点で停止することもあります)。

 

 しかし、経験を積むことで飛び出しの可能性を考えられるようになってきます。ところが、実際には「出て来る」ことは、低いもしくは殆どありません。(但し、無いではありません。来た時には事故に至ります。)


 そのような経験を積んだ結果「来ないだろう」となります。

 つまり「だろう」→「かもしれない」→「だろう」と変化します。

 ちなみに「かもしれない」運転の深さ(熟知の度合い)や、その継続期間(だろうへの移行の遅さ)は、安全態度や感受性の影響を受けていると、日々の事故再発防止研修の実施を通じて感じています。

 ですから、我々SSDの仕事は、「かもしれない」運転を深く知ってもらうこと、その期間を長く持ってもらうこと、「だろう」を「かもしれない」運転に戻すことであると考えます。

 最後にまとめます。無事故のためには、

  1. 「かもしれない」と頭に思い浮かべるようにする。思い浮かんだら、要注意だと気づくこと。
  2. 見えない場合は、確実に見えるまで慎重に行動すること。いい加減な推測より、自分の目で確かめること。
  3. 「どちらかな」と思ったら、自分にとって悪い方を選ぶこと。
  4. 経験を優先させすぎない。そこに落とし穴があると思うこと。
  5. 最悪を想定していれば、それに出会っても慌てる度合いが少ない。回避もしやすい。


 3回続けましたが、これで「だろう運転」のお話は終わります。お付き合い頂き有難うございました。

(野村幸一)

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