こんにちは、野村です。
啐啄同時という禅の言葉があります。
ひな鳥が卵から出ようとするとき、殻の中からつつく音に、親鳥が外からついばんで殻を破る。
そのついばむタイミングが早くても遅くても雛は生まれることができないということです。
教育の機会についてよく使われる例えです。機が熟したときでなければ心に届きにくい、本当に教育とは難しいものですね。
例えばこの時期に入学式などでよく聞く、「親御さんに感謝して下さい。」との言葉があります。とても素晴らしいことだと思います。
ただそれを説いても、聞いている子どもたちに意味が分からないのかもしれません。(しかし、分からないから意味がないとは思いません。)
それが視点の提供という意味からのアプローチとするなら、行動へのアプローチもあると思います。
例えば、「帰ったら、親御さんに有難うと言ってください。」との説明です。具体的な行動を指示することで、そこから感じてもらったり、行動の癖をつけるまたは始めてもらう、ということです。
安全教育でいえば、「事故ゼロを目指そう」とか「安全運転をする」といったスローガンや結果目標の提示ではあまり効果がないと考えます。
抽象的ではなく、また結果の目標でなく、「黄色信号は止まりましょう。」とか、「一時停止場所は完全停止をしましょう。」といった具体的な行動の目標やアドバイスが有効です。
(野村幸一)