酒は抜けたという落とし穴に陥らない

ある事業所で、休日に飲酒運転で検挙された従業員がおり、会社に出勤してきて管理者に違反の報告をしています。

 

管理者「飲酒運転って、会社ではあれほど厳しくしないように注意しているだろう?」

 

運転者「済みません。飲んでから時間がたっていたので、もう抜けたと思っていたんです」

 

管理者「どういうことだ?」

 

運転者「日曜日に温泉施設に行ったんです。そこで、風呂に入る前に食事をしながらビールを飲んだのです」

 

管理者「車で行っていたのだろう? なぜ、飲んだんだ!」

 

運転者「風呂に入るし、その間に酒は抜けると思っていました」

 

管理者「どれくらいの量を飲んだんだ?」

 

運転者「ビール中瓶1本です」

 

管理者「ビール中瓶1本というと、500ミリリットルだよ。結構な量じゃないか!」

 

運転者「でも風呂から上がったときには、すっかり酔いが覚めていたんです」

 

管理者「それが危険なんだよ。ビールを飲んでから車を運転するまでに、どれくらいの時間が経っていたんだ」

 

運転者「うーん、2時間くらいですかね」

 

管理者「そうだろうな」

 

運転者「どういうことですか?」

 

管理者「いや、ビール中瓶1本くらいなら、2時間も経つとすっかり覚めた感じになるが、意外と体内にアルコールが残っているんだよ」

 

運転者「そうなんですか?」

 

管理者「以前に飲酒の実験に参加したことがあるんだが、500ミリリットルの缶ビール1本飲んだ後、2時間も経つとすっかり酔いも覚めた感じになったよ」

 

運転者「そうですよね」

 

管理者「これからが大事なところだが、そのときに呼気中アルコール濃度を測ったら、1リットル当たり0・15ミリグラムもあったんだよ」

 

運転者「エーッ、本当ですか?」

 

管理者「そうだよ。自分の感覚では運転できると思っていたんだが、実は体内にアルコールが残っていたんだな」

 

運転者「そうですか……」

 

管理者「0・15ミリグラムというと、酒気帯び運転で検挙される数値だよ」

 

運転者「私の場合も、それくらいの数値が出ました」

 

管理者「そうだろう。酒を飲んで少し時間が経つと覚めたような気分になるが、アルコールはなかなか抜けないということがわかっただろう」

 

運転者「はい・・・」

 

管理者「アルコールは短時間では抜けないということ認識し、『休憩したから酒は抜けた』という落とし穴に陥らないようにしてくれよ」

 

運転者「わかりました」

 

温泉施設や遊園地などに車で出かけて、帰るまでに時間があるからと酒を飲む人がいます。アルコールは短時間では抜けませんので、車で出かけたときは絶対に酒を飲まないようにしてくださいね

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