歩道は「歩行者の聖域」と意識しよう

ある管理者が街中を走行しているときに、歩道を歩いている小学生の列の前を横切って駐車場に入っていく車を目撃しました。「危険な車だな」とよく見ると、自社の運転者でした。さっそく該当する運転者を呼んで話を聞いています。


管理者「昨日、○○前の駐車場に車を入れていたよな?」


運転者 「そうです。どこかで見ていたんですか?」

 

管理者「たまたま近くを走っていて目撃したんだが、いつもあんな運転をしているのか」

 

運転者 「そうですが、何か問題でもありましたか?」

 

管理者「歩道を小学生の列が歩いていただろう」

 

運転者 「はい」

 

管理者「その列が近づいているのにも関わらず、君はその前を止まらずにサーッと駐車場に入って行ったよな」

 

運転者 「ええ」

 

管理者「小学生が驚いていたじゃないか!」

 

運転者 「そうでしたかね。でも小学生の列は長かったし、待っていると時間がかかると思ったのです」

 

管理者「おいおい、横断歩道の前で歩行者を待つのは、時間がかかるとか、かからないという問題ではないんだよ」

 

運転者 「どういうことですか?」

 

管理者「君はどうやら、道路交通法を理解していないようだな」

 

運転者 「自分では知っていると思いますが!」

 

管理者「歩道を横切る際には歩道の手前で一時停止を義務づけられているんだよ。教習所でも習っただろ」

 

運転者 「うーん、歩行者がいなくてもですか?」

 

管理者「そうだよ。それほど歩道というのは歩行者が保護される場所なんだよ」

 

運転者 「でも、歩道の手前で一時停止する車はほとんどいませんよ」

 

管理者「からといって、一時停止しないという理屈はないよな。みんなそれほど歩道に対する意識が甘いということだよ」

 

運転者 「はあ…」

 

管理者「それに君は小学生が来ているにも関わらず、その前を強引に横切ったのだから、人のことを言える立場じゃないよな」

 

運転者 「恥ずかしいです」

 

管理者「幸い、事故がなくてよかったけど、こんな運転をしていると、いつか歩道上で事故を起こすことになるよ」

 

運転者 「はい」

 

管理者「歩道の上で歩行者と事故を起こしたら、弁解の余地はないよ」

 

運転者 「ええ」

 

管理者「これから〝歩道は歩行者の聖域″という言葉を胸に刻み込んで運転してくれよ」

 

運転者 「はい、わかりました」

 歩道は「歩行者の聖域」です。その聖域ともいうべき歩道を横切るときには、運転者に万全の注意義務が課せられることを忘れないでくださいね。


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