途切れない自転車

 先日、ある企業様の新入社員の方に、運転トレーニングを行っていたときのお話です。新入社員の方は、運転経験が少なく、一般道路の走行訓練や駐車場の運転方法などを繰り返し行っていました。その中で、中央線がない生活道路を走行していたときです。

 前方に交差点があり、こちら側の信号の色が赤色でした。受講者の方は、それを捉えて、ゆっくりと停止しました。ちなみに、交差する側の道路は、中央線のある道路でした。

 信号待ちをしていると、左から自転車がやって来ました。中学生がクラブ活動での移動みたいで、何台もやって来ました。その中の1台が、先生らしき人でした。交差点の横断歩道のあたりで、停止し自転車に乗る生徒の誘導を行っていました。

 しばらくすると、こちら側の信号が青色に変わりました。受講者の方は、車を発進させようとしましたが、左からの自転車の列が途絶えることがありません。自転車の中には、勢いよく接近するため、大回りして、こちらの車に接近する自転車があります。これは、危ないなあと状況を見ていました。

 そのとき、誘導をしている先生へ視線を向けると、先生は、腕を回して自転車の列に、「こっちに来い」と合図を送っているのです。交差点には信号があります。私たちの車の信号が青色です。自転車の列は、当然赤色です。

 信号が青色に変わっていますが、左側から何台もの自転車がやって来るため、結局、私たちが乗っている車は動くことができませんでした。

 20数台の自転車の引率や誘導を行うので、多少急いでいたのかもしれません。ですが、これは、明らかに危なく、先生の指示が間違っているし、生徒を危険な状態にしているといえます。

 私たちの車が発進できなかったことは仕方ありませんが、ルールを守ることは、学校でも教えていることです。引率の先生がこのような誘導をすることに疑問を感じました。

 たまたまかも知れませんが、こんなことを繰り返していると、生徒たちが危険なことをしていることの認識が低くなり、いずれは事故に巻き込まれるのではないかと不安に思いました。私自身、教える側の立場として考えさせれらる場面でした。

(高林一夫)

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