ミラーの調整は何のためにするの?

 ある事業所で、運転者を集めて交通安全講習会を開催しており、管理者が講演をしています。

 

管理者 「皆さん、運転席に座ったらエンジンをかける前に、まず、何をしますか?」

 

運転者 「シートベルトを着用します」

 

管理者 「そうですね。それから?」

 

運転者 「エッ?それからエンジンをかけますけど」

 

管理者 「君は、ミラーを調整しないの?」

 

運転者 「ミラーの調整? あまりしませんね」

 

管理者 「君の前に他の人が乗っていると、ミラーの向きが微妙に変わっていることがあるだろう」

 

運転者 「少しはありますけど。後方を見るだけなので、少し向きが変わっていても平気ですね」

 

管理者 「何のためにミラーの調整がなぜ必要か、まったく考えていないということだね」

 

運転者 「どういうことですか?」

管理者 「ミラーの調整は、後方の死角をできるだけ少なくするためにするものだよ。君のように、後ろが見えればよいという考えでミラーを調整しないで運転していると、後方の死角が多くなっていつかは事故を起こすことになるよ!」

 

運転者 「はあ・・・」

 

管理者 「だ・か・ら!車に乗ったら、まず、ミラーの向きをどう変えればいちばん後方の死角がなくなるかを考えて、調整することが大切なんだ!」

 

運転者 「すみません。後方の死角のことはあまり考えていませんでした」

管理者 「車の左右の死角をなくそうとして、サイドミラーの向きを外側に開く人がいるが、これだとミラーにボディが映らなくなり距離感がつかめなくなるので、ミラーにボディを少し映して調整してくれよ」

 

運転者 「はい、わかりました」

 ミラーをこまめに調整している人は、後方の死角を意識することができる人です。常に死角が存在することが頭にあれば、安全確認を熱心にするため、危険の見落としも減ることになります。

 

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