漫然運転は、頑張り屋の落とし穴

 先日、追突事故を2件起こした方の事故再発防止研修を実施しました。


 受講されたのは、30代後半の男性です。立ち振る舞いも受講態度も真面目です。渋滞での停止中にブレーキが緩んだために事故を起こされています。

 まず、運転を診させてもらったのですが、大きな問題点は見受けられません。周りの状況を適切にとらえています。停止中を含めた車間距離や減速時期なども良好でした。

 次に、面談に入り事故の状況を伺いました。停止中にぼんやりと仕事のことを考えていたそうです。そのため、車が動き出したことに気づかなかった、気づくのが遅れたようです。注意転換が遅れた、いわゆる「漫然運転」による事故です。

 真面目な方で、きちんとしようと考えて仕事にのぞんでいます。「さぼるのなんかもってのほかだ」とも言われました。
 ただし、よく運転中に訪問先のことや、時間配分を考えているとのことです。話していて、とくに朝に漫然となることが分かりました。その時の気持ちは「仕事を頑張るぞ!」という気持ちだそうです。

 さらに聞いてみると、漫然としがちであることの自覚はお持ちです。しかし、それがいけない、危険であるとの認識がありませんでした。
 診断時の運転を続けてほしいこと、しかし、漫然運転を続けていると事故を再発する可能性が高いことを指摘しました。社内の評価が下がることもあるとアドバイスしました。
 改善の必要性を理解され、ご自身で「運転以外のことが思い浮かんだら、すぐに断ち切る」と今後の目標を決められました。

 一生懸命に仕事を頑張っている方が事故を起こすのは、とても残念なことです。運転中に、仕事のことが気になるのは、分からなくはありません。しかし、漫然運転は危険です。
 ご自身のため、運転中は運転外のことに注意を向けないと強く想い、漫然運転の落とし穴にはまらないようにして欲しいです。

(野村幸一)

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