自転車の運転行動の変化に注意しよう

 ある事業所の社員が得意先を訪問して帰宅途中に、交差道路から出てきた自転車と衝突する事故を起こしました。管理者が帰社してきた社員に事故の状況を聞いています。


 

管理者「自転車と出会い頭に事故を起こしたと聞いたけど、どういう状況だったの?」

 

運転者「○○道路を走行していたんですけど、△△交差点を少し過ぎたあたりにある小さな交差点から自転車が出てきたんです」

 

管理者「あの辺りの道路には歩道が設置してあるよな」

 

運転者「ええ」

 

管理者「そしたら、自転車が歩道を横切って車道に出て来るまでには少し距離があるので、出会い頭に衝突するということは考えにくいけど」

 

運転者「実は、少し『思い込み』をしていまして……」

 

管理者「自転車の動きを思い込んだ、ということ?」

 

運転者「ええ、あの辺りはよく走行するのですが、交差点から出てきた自転車は、間違いなく車道に出てこないで歩道のほうを通るんです」

 

管理者「それで、今回も自転車が車道に出てこずに歩道を通ると思い込んでいたのか」

 

運転者「そうなんです。それで自転車の動きをあまり注意していなくて、車道に出てきたときにビックリしてブレーキを踏んだのですが……」

 

管理者「そういうことか」

 

運転者「申し訳ありません」

 

管理者「ところで、これまでほとんどの自転車が歩道を通っていたのに、今回は歩道を通らず車道に出て来たのはなぜか、わかる?」

 

運転者「いえ、わかりません」

 

管理者「それは、4月1日から自転車の交通違反に反則金が適用されるようになったことが大きいと思うよ」

 

運転者「それが、どのように関係するんですか?」

 

管理者「自転車は車道通行が原則で、標識で歩道走行が認められているなどの例外を除いて、歩道を通行すると違反になる」

 

運転者「それって、守っている人は少ないんじゃないですか」

 

管理者「そうだな、これまでは悪質な違反を除いて反則金などの罰則がなかったから、ルールを守る人がほとんどいなかったんだ」

 

運転者「そうですよね」

 

管理者「それが4月から、違反すると反則金を支払わなければならないので、ルールを守る人が増えたように思う」

 

運転者「それで車道に出てきたんですね」

 

管理者「マスコミなどで自転車の違反を報道するので、自転車に乗る人もそれなりに気をつけようとするからね」

 

運転者「そういえば、最近車道を走っている自転車が増えたような気がしますね」

 

管理者「ルールを守る人が増えることはよいことだが、車を運転する人も車道を走る自転車を意識しておかなければならないということだ」

 

運転者「ええ」

 

管理者「これからは、交差点から自転車が出てきたら歩道を走ると思い込まずに、車道に出てくるかもしれないと思って、その動きに注意を払って慎重な運転をしてくれよ」

 

運転者「はい、わかりました」


 16歳以上の自転車に対して交通反則通告制度が導入され、今まで歩道を走っていた自転車が車道を通行することが多くなりました。自転車を見かけたら、できるだけ距離をとって走行してくださいね。