猫に小判

 こんにちは、野村です。芸術の秋ですね。

 

 岡山県倉敷市に大原美術館があります。

 

 ワタシが初めて入った美術館です。高校生のとき友人とリュックを背負って旅行をしたときでした。

 

 そこには名前はよく聞く画家たちの絵が並んでいました。

 

 でも感性も経験も知識もないワタシたちにはその良さが分かりません。

 

 初めて美術鑑賞、特に抽象画は分からず、シャガールを前にして、「さっぱり分からんなぁ」とふと口にしました。

 

 すると隣にいた中年女性が、「猫に小判や。」とこちらを一瞥もせずに言いました。

 

 友人とふたりして恥ずかしさを感じました。でも女性の言っていることは、半分はあっていますが半分は違うと今は思います。

 

 なぜなら美術を愛好するとは、それを楽しむことだと思うのです。分かる/分からない、知っている/知らないではなく、感じる/感じない、好き/嫌い、でいいのだと。

 

 知識を得て物知りになっても仕方ありません。始めは分からなくてもいいはずです。

 

 そのとき価値が分からなくでも、多くの名画に接していると自然に眼力や感性は高まってきます。大切なのは感じることです。

 

 何を見て、何を思い、何を感じるか、美術でも運転でも大事なことは同じだと思います。

 

                                           (野村幸一)

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