鰯の頭も信心から

 こんにちは、野村です。

 

 ずいぶん前のことです。ある自動車学校へ運転研修の実施を見学に行ったことがあります。

 

 対象者は新入社員で、受講者は6名でした。

 

 その運転研修では、一人のインストラクターがオリエンテーションを含め、ほとんどの部分を担当していました。

 

 このインストラクターが非常に強調していた点は、「ハンドルを片手で持たない」「両手でハンドルを持つ」ということでした。

 

 座学でもそうですし、実車を使用した演習でも、インストラクターは受講者へ繰り返しハンドルの持ち方を話していました。

 

 確かにハンドルを正しく両手で持つことは、咄嗟の場面での危険回避に役立つと思います。しかし、事故予防という観点からすると、もっと大事なことを指導することが必要ではないか、ワタシはそう思いながら見学をしていました。

 

 ところがです。すべての研修を終え、受講者の書いた感想文を見ると、「ハンドルを片手で持たない。」「両手でハンドルを持つ」と全ての方が書いていたのです。

 

 インストラクターが本気で思い信じている、それを熱く語ったので伝わったのです。しかし、信じる、伝わることと、役に立つことは違います。

 

 ”鰯の頭も信心から” まさに、それを目の当たりにしました。役に立つことを伝えるよう努力する、それが我々の仕事だと痛感した出来事でした。

 

                                           (野村幸一)

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