スイスチーズモデル-1

 今回は、スイスチーズモデルについて書かせて頂きます。

 

 スイスチーズモデルとは、穴あきチーズをスライしたときのチーズの穴を、事故の要因(ミス)と見立て、何枚かの穴のあいたチーズを並べ、それらの穴(要因)が偶然に全てつながり、貫通したときに事故が起きることを示したものです。また、それぞれのチーズの穴(要因)の大きさ、形、数は、刻々と変化します。


 具体的には、以下のチーズがあると考えられています。

1・心身上のチーズ:疲労、心労、体調等
2・仕事上のチーズ:急ぎ、場所不明、ストレス、心労
3・認知のチーズ:見るべきときに見るべきものを見ていない
4・判断のチーズ:何もないだろうという思い込み、自分都合の判断
5・操作のチーズ:荒い操作、接近速度が速い、ブレーキが遅い

 上記1~5のチーズの穴は、常に存在し、貫通すると事故に至るということを、意識しながら運転することで、事故を起こす可能性が低くなるのではないでしょうか?

 チーズの穴(要因)をゼロにすることはできません。しかし、少しの注意や努力でチーズの穴(要因)を少なくしたり、穴(要因)の大きさを小さくしたりすることは可能です。

 また、どこかにチーズの穴(要因)があいたことに気付くことができれば、貫通しないので事故を未然に防止することができるのではないでしょうか?

 事故を起こされた殆どの方は、上記の努力を省略し、チーズの穴(要因)を、「疲れていた」「急いでいたので、見落とした」と言い訳の材料として使われるという印象を持っています。

 チーズの穴(要因)の存在を、事故防止のために活用するか、事故を起こしてからの言い訳として活用するかの違いは、事前にするべきことを、実践するかどうかの違いのような気がしてきました。

 運転以外のことにも、チーズの穴(要因)を応用し、よりよい方法を実践しようと再認識させて頂きました。(次回につづく)

(平野 勝寛)

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